はじめに
120kgから65kgまで痩せた中で、一番変わったのは「考え方」でした。
ダイエットというと、食事制限や運動メニューといった具体的な方法論に目が向きがちです。何を食べればいいのか、どんな運動をすればいいのか、一日何カロリーに抑えればいいのか。もちろんそれらは大切なことですし、正しい知識を持つことは体を変えるための土台になります。しかし、55kgという体重を落とす過程で最も強く実感したのは、食事や運動の内容以上に「考え方」が結果を左右するということでした。
振り返ってみると、120kgだった頃の自分にもダイエットの知識がなかったわけではありません。カロリーを減らせば痩せること、運動すれば消費エネルギーが増えること、そうした基本的なことは理解していました。それなのに痩せられなかったのは、知識の問題ではなく、その知識をどう捉えてどう行動に結びつけるかという「考え方」の部分に問題があったからです。
自分の場合、ダイエットに対する考え方はかなり極端でした。「食べたら太る」「運動しなければ意味がない」「完璧にやらなければ失敗」。こうした白か黒かの思考が、結果的に自分自身を追い詰め、ダイエットを続けられなくする原因になっていました。何度もダイエットを始めては挫折し、リバウンドを繰り返していた根本的な理由は、方法が間違っていたからではなく、考え方が間違っていたからだったのです。
この記事では、120kgから65kgへと体重を落とす中で自分の中で起きた「考え方の変化」について書いていきます。具体的なダイエット方法というよりも、ダイエットに対する向き合い方や心の持ちようについての話が中心です。今まさにダイエットに取り組んでいる方、何度も挫折を繰り返している方にとって、何かしらのヒントになれば嬉しいです。
結論:痩せている人は「無理をしない考え方」をしている
最初に結論を書いてしまうと、痩せている人と太っている人の違いは、食事の内容や運動量だけではなく、「考え方の質」にあると感じています。
痩せている人、あるいは体重を安定して維持できている人は、「無理をしない考え方」を自然と身につけています。食べすぎた日があっても慌てず、翌日以降で緩やかに調整する。好きなものを極端に我慢せず、頻度や量をコントロールする。完璧を目指さず、「だいたいできていればOK」というスタンスで日々の食事と向き合う。こうした柔軟な考え方が、結果的に長期間にわたって食事管理を継続することを可能にしているのです。
一方で、120kgだった頃の自分は真逆でした。「極端な考え方」が習慣になっていました。食べるか食べないか。やるかやらないか。成功か失敗か。常に両極端の選択肢しか頭になく、その中間のグレーゾーンが存在しないかのように生きていました。ダイエットを始めるときは極端に食事を減らし、それが続かなくなると「もうダメだ」と思って元の食生活に戻る。この繰り返しでした。
この考え方の違いに気づいたとき、初めて「ダイエットの問題は食事ではなく自分の思考パターンにあったのだ」と腑に落ちました。そしてそこから、少しずつ自分の考え方を修正していくことで、体重は着実に変化していきました。
考え方の違い① 制限に対する向き合い方
太っていた頃:極端に制限しようとしていた
120kgだった頃のダイエットは、いつも「制限」から始まりました。
「明日から炭水化物は一切食べない」「甘いものは完全にやめる」「一日1000kcal以下に抑える」。ダイエットを決意するたびに、こうした厳しいルールを自分に課していました。その瞬間は本気でした。今度こそ変わるんだ、今度こそ痩せるんだという強い決意のもと、初日は完璧にルールを守ります。二日目も何とかやり遂げます。しかし、三日目あたりから雲行きが怪しくなります。
極端な制限をしていると、体だけでなく心にも大きな負荷がかかります。「食べてはいけない」と思えば思うほど、食べ物のことが頭から離れなくなる。街を歩けばラーメン屋の看板が目に入り、テレビをつければグルメ番組が流れ、SNSを開けば美味しそうな食事の写真が並ぶ。普段ならそこまで気にならないはずのものが、制限をしているからこそ強烈に意識されるようになるのです。
そしてある日、その我慢の糸がプツリと切れます。「今日だけは」と思って食べ始めると、堰を切ったように止まらなくなる。制限していた反動で、普段以上に食べてしまう。食べた後には強烈な罪悪感が残り、「やっぱり自分には無理だ」と自己嫌悪に陥る。そしてダイエットそのものをやめてしまう。
この「極端な制限→反動の暴食→挫折」というサイクルは、120kgだった頃に何度も何度も経験しました。当時は「自分の意志が弱いから続かないのだ」と思っていましたが、今振り返れば、意志の問題ではなく仕組みの問題だったとわかります。人間の意志力には限界があり、極端な制限を長期間にわたって維持し続けることは、そもそも無理な話なのです。
痩せてから:続けられる範囲で調整する
考え方が変わったきっかけは、「完璧にやろうとするから失敗するのではないか」とふと思ったことでした。
それまでの自分は、ダイエットを「100点か0点か」で捉えていました。ルールを完璧に守れた日は100点。少しでも逸脱した日は0点。0点の日が続けば「もう失敗した」と判断してダイエットをやめる。この極端な採点基準が、自分を追い詰めていたのです。
そこで考え方を変えました。「100点を目指すのをやめて、60点を目指そう」と。完璧でなくていい。毎日でなくていい。食べすぎた日があっても、その次の食事で少し調整すればいい。一日単位で成功か失敗かを判断するのではなく、一週間、一ヶ月といった長い単位で見て「だいたいできていればOK」と考える。
この「続けられる範囲で調整する」という考え方に変えてから、ダイエットに対するストレスが劇的に減りました。食べすぎた日があっても、「じゃあ明日の昼はちょっと軽めにしよう」と冷静に考えられるようになりました。以前なら「食べすぎた=失敗した=もうダメだ」と一直線に思考が進んでいたところが、「食べすぎた=でも大丈夫=次で調整すればいい」というように、途中で冷静さを取り戻せるようになったのです。
完璧を目指さないこと。これは一見するとダイエットに対する姿勢として甘いように見えるかもしれません。しかし実際には、完璧を目指さないからこそ長く続けることができ、長く続けるからこそ結果が出る。この逆説的な真実に気づけたことが、自分にとっては最大の転機でした。
考え方の違い② 食事に対する向き合い方
太っていた頃:我慢=正解だと思っていた
食事に対する考え方も、太っていた頃と今とでは大きく異なります。
120kgだった頃、ダイエット中の食事に対する自分のスタンスは明確でした。「好きなものは食べてはいけない」「食事は我慢するもの」。この二つが、食事管理における絶対的なルールでした。
好きなものはだいたい高カロリーだから食べてはいけない。美味しいものは体に悪いから控えなければならない。ダイエット中の食事は質素で味気ないものであるべきだ。こうした考え方のもとで食事をしていると、毎回の食事が「修行」のようになります。味のない鶏むね肉をパサパサのまま食べ、ドレッシングなしのサラダを無理やり口に押し込み、「これがダイエットだから仕方ない」と自分に言い聞かせる。
当然のことながら、こんな食事が楽しいわけがありません。食事のたびにストレスが溜まり、「早くダイエットが終わればいいのに」と思うようになります。食事が楽しみではなく苦痛になってしまう。これは、ダイエットを続ける上で致命的な状態です。
なぜなら、食事は一生続くものだからです。ダイエットに「終わり」はありません。目標体重に到達した後も、その体重を維持するためには食事管理を続ける必要があります。「我慢の食事」を一生続けることは現実的ではなく、どこかで必ず限界が来ます。そして限界が来たとき、反動でリバウンドするのは目に見えています。
痩せてから:続けられる食事を選ぶ
考え方を変えた後は、食事の選び方そのものが変わりました。「我慢する食事」ではなく、「続けられる食事」を意識するようになったのです。
「続けられる食事」とは、端的に言えば「ストレスなく食べ続けられる食事」のことです。低カロリーでありながら美味しいもの。栄養バランスが良くて満足感のあるもの。準備に手間がかからず、日常的に食べ続けることが苦にならないもの。こうした食事を自分なりに見つけていくことが、食事管理を長く続けるための鍵でした。
具体的には、同じ鶏むね肉でも調理法を工夫するようになりました。パサパサのまま食べるのではなく、下味をつけてしっとり仕上げる方法を覚え、サラダにも好みのドレッシングを適量かけるようにしました。「カロリーを抑えること」と「美味しく食べること」は両立できる。この発見は、自分の食事管理を大きく変えてくれました。
大切なのは、「何を我慢するか」ではなく「何なら続けられるか」という発想の転換です。我慢を前提にしたダイエットは長続きしません。しかし、「これなら無理なく続けられるな」と思える食事を見つけることができれば、食事管理は我慢ではなく習慣になります。習慣になってしまえば、特別な意志力は必要ありません。歯を磨くのと同じように、自然と適切な食事を選べるようになるのです。
実際にやっていたこと
考え方の変化について書いてきましたが、ここでは実際に自分がどのように食事管理をしていたのか、もう少し具体的な話をしたいと思います。
間食については、以前は「ダイエット中だから間食は一切しない」と決めていました。しかしこれもまた極端な考え方で、結局我慢しきれずにコンビニで菓子パンやスナック菓子を買って一気に食べてしまうということが何度もありました。
考え方を変えてからは、「間食そのものをやめる」のではなく、「間食の内容を変える」という方向にシフトしました。具体的には、小腹が空いたときにはナッツやプロテインを選ぶようにしました。ナッツは少量で満足感があり、良質な脂質を含んでいます。プロテインは甘いものを飲みたいという欲求を満たしつつ、たんぱく質を補給できる優秀な選択肢です。
コンビニでの買い物も変わりました。以前は弁当コーナーで揚げ物の多い弁当や、パンコーナーで菓子パンを選んでいたのが、サラダチキンやゆで卵、おにぎりとサラダの組み合わせを選ぶようになりました。コンビニは「ダイエットの敵」のように思われがちですが、選び方さえ工夫すれば、むしろ忙しい日の強い味方になります。成分表示がしっかり記載されているので、カロリーやたんぱく質の量を確認しながら買い物ができるのも大きなメリットです。
そしてこれらすべてに共通していたのは、「完全に我慢しない」という意識です。食べたい気持ちを無理に抑えるのではなく、食べたい気持ちを「何で」満たすかを工夫する。我慢の総量を減らすことで、ダイエットに対するストレスを最小限に抑える。この考え方が、55kgの減量を成功させた大きな要因だったと思っています。
考え方を変えるのは簡単ではない
ここまで「考え方を変えたことで痩せられた」という話をしてきましたが、一つ正直に言っておきたいことがあります。それは、考え方を変えることは決して簡単ではなかったということです。
自分の場合、120kgまで太ってしまった背景には、長年かけて形成された思考パターンがありました。「食べたら太る」「我慢しなければダメ」「完璧にやらなければ意味がない」。こうした考え方は、一日や二日で身についたものではなく、何年もかけて自分の中に根づいたものです。それを急に変えようとしても、頭ではわかっていても体と心がついてこないということが何度もありました。
特に最初の頃は、「食べすぎても大丈夫、次で調整すればいい」と頭では思っても、実際に食べすぎた後には強い罪悪感に襲われていました。「こんなに食べてしまった。やっぱり自分はダメだ」という以前の思考パターンが自動的に作動してしまうのです。新しい考え方を知ったからといって、古い考え方がすぐに消えるわけではありません。
だからこそ大切にしていたのは、「少しずつ変えていく」という姿勢です。一気に考え方を転換しようとするのではなく、日々の小さな場面で意識的に新しい考え方を選ぶようにしました。食べすぎた後に罪悪感を感じたら、「でも次で調整すれば大丈夫」と意識的に自分に言い聞かせる。最初はぎこちなくても、それを繰り返すうちに、少しずつ新しい考え方の方が自然に感じられるようになっていきました。
考え方を変えるというのは、筋トレに似ています。一回やっただけでは何も変わりませんが、毎日少しずつ続けていくうちに、確実に強くなっていきます。焦る必要はありません。今日すぐに完璧な考え方ができなくても、「少しだけ意識を変えてみる」ことを積み重ねていけば、半年後、一年後には自分の思考パターンが確実に変わっていることに気づくはずです。
食事管理の負担を減らしてくれたもの
考え方を変えるのと同時に、自分が実際に活用していたものについても触れておきたいと思います。
食事管理を続けていく中で、どうしても「何を食べればいいのかわからない」「考えるのが面倒になってきた」という瞬間が訪れます。考え方を変えて「完璧を目指さない」というスタンスになったとはいえ、毎日の食事を考えること自体に疲れてしまうことはあるものです。
そんなとき、自分を助けてくれたのがプロテインやナッツといった「迷ったらこれを選べばいい」と思える食品でした。
プロテインは、特に甘いものが食べたくなったときの救世主でした。ダイエット中でも甘いものを飲みたいという欲求は定期的にやってきますが、プロテインであればその欲求を満たしつつ、たんぱく質もしっかり摂ることができます。食事の置き換えとしてではなく、間食や食後のデザート感覚で取り入れていました。「食べるのが不安なとき」に選べるものがあるというのは、精神的にもかなり助かりました。
ナッツも同様に、常備しておくと便利な食品です。持ち運びができるので、外出先で小腹が空いたときにもコンビニでお菓子を買う代わりに食べることができます。少量で満足感があり、良質な脂質やミネラルが含まれているため、「食べることへの罪悪感」がほとんどないのも大きなポイントでした。
こうしたアイテムに頼ることは「甘え」ではありません。むしろ、食事管理を長く続けるための「仕組みづくり」の一環です。何もかもを自分の意志力だけで乗り切ろうとすると、いつか必ず限界が来ます。使えるものは賢く使いながら、無理なく食事管理を続けていく。この姿勢もまた、「考え方の変化」の一つだと思っています。
プロテインやナッツはこちら👇
まとめ
120kgから65kgへの減量を通じて、自分の中で最も大きく変わったのは体型ではなく考え方でした。
太っていた頃の自分は、ダイエットを「我慢と制限の戦い」だと思っていました。食べたいものを我慢し、厳しいルールを自分に課し、それを完璧に守り続けることが痩せるための唯一の方法だと信じていました。しかしその考え方は、短期的にはうまくいくように見えても、長期的には必ず破綻します。何度もリバウンドを繰り返した末に、ようやくそのことに気づきました。
痩せてから身についた考え方はシンプルです。無理をしないこと。完璧を目指さないこと。食べすぎても自分を責めず、次で調整するという意識を持つこと。たったこれだけのことですが、この考え方に切り替えてから、食事管理は「苦行」から「日常」に変わりました。
ダイエットにおいて一番大事なのは、どんな食事法を選ぶかでも、どんな運動をするかでもなく、「続けられる考え方」を持てるかどうかだと、自分の経験を通じて強く思います。どれほど優れた方法であっても、続けられなければ意味がありません。そして続けるために最も重要なのは、意志の強さではなく、自分を追い詰めない思考の柔軟さです。
最初から完璧にできる必要はありません。今日、ほんの少しだけ考え方を変えてみる。「食べすぎてしまった自分」を責めるのではなく、「じゃあ次で調整しよう」と思ってみる。それだけで十分です。その小さな意識の変化が、一ヶ月後、三ヶ月後、半年後の自分の体を変えてくれます。
まずは一つ、できるところから試してみてください。
👉 食事管理のサポートに使えるアイテムはこちら


コメント